私が読んで激アツだった本を紹介する記事。今回はサイモン・シン氏の『宇宙創成』を紹介します。
この本では、冒頭に偉人の名言が紹介されています。いきなりですがその一つを紹介。
広大な大聖堂の中に三粒の砂を置けば、大聖堂の砂粒の密度は、宇宙空間の星の密度よりも高いことになる。
著:サイモン・シン(訳:青木薫)『宇宙創成』新潮文庫 2009
ージェイムズ・ジーンズ
はい、これでもう面白いです。読み進めること決定です。
この本は宇宙の成り立ちが書いてあることはもちろんのこと、宇宙の成り立ちや真理を追い続けた偉人たちの本でもあります。
私たちが今生きているこの世界を解明してくれた偉人たちに、胸が熱くなること間違いなしの一冊です!
- 純粋に宇宙が好きな人
- 宇宙解明の歴史を学びたい人
- 真理を求める熱い偉人たちの影響を受けたい人
著者紹介
サイモン・シン氏はイギリス出身のジャーナリスト、サイエンスライター。
この本以外にも、『フェルマーの最終定理』『暗号解読』といった数学的、科学的テーマの本を出版。
イギリスのテレビ局(BBC)に勤務している(していた?)こともあり、一般向けの科学書の分かりやすさには定評があります。
自身も物理学の博士号を取得しており、その知見が大いに著作の中で生かされている印象です。
『宇宙創成』も、宇宙論という壮大かつ難解なテーマを、これだけ分かりやすく面白い一冊にしています。
宇宙兄弟で仕入れた知識くらいしかない私でも、楽しく読み進めることができる文章術と知識量には驚かされます!
この本を読むメリット
宇宙の成り立ちが分かる
はるか昔には、神や怪物がこの世界を作っているとされていました。いわゆる神話的なやつです。それは文化や部族によって様々なものです。
他のコミュニティと関わるようになると、それぞれ違った解釈をしているので、本当のところはどうなのだろうか、という話になります。
その後、知識人たちは神や超常現象に頼ったものではなく、科学的にこの宇宙を説明しようとします。
この本を読んでいると偉人たちの天才ぶりには驚かされることばかりです。
紀元前6世紀時点で、爪や棒を使った観測によって地球の大きさが分かっていたというのだから驚きです。
さらに、今となっては当たり前の地動説ですら、アリスタルコスという人物が紀元前250年ごろに唱えていたのです(その当時は全く受け入れられなかったようですが)。
その後もコペルニクス、ガリレオガリレイ、アインシュタインなど多くの偉人たちによって宇宙が解明されていきます。
この記事で解明の歴史を紹介することはしませんが、読み進めていると、137億年と言われている宇宙の歴史の中で、解明され始めたのはごく最近のことということが分かります。
まだまだ分かっていないことも多いかもしれませんが、その瞬間に立ち会えていることを光栄に思います!
真理を求める偉人たちの熱い戦いを楽しめる
今の宇宙が解明されているのは、何も偶然解明されたわけではありません。
先ほども述べましたが、遠い昔にはこの宇宙は神様や怪物が作り操っているとされていた時代もあるわけです。
当時はそれが当たり前の世界。そんな世界で全く違うことを言う勇気があるでしょうか。
神が創造したとされる地球を中心とした天動説。この天動説が主流の時代に地動説を唱えることができるでしょうか。
異教徒とされ弾圧される可能性も高かったわけです。
しかし、今では地動説が確立されています。
本当は正しいことを主張していたのにも関わらず、弾圧されながら、否定され続けながら亡くなった学者が数多くいたわけです。
そんな過去の偉人たちの努力の上で今の世界が成り立っている。
改めてそのことに気付かされました。
アンリ・ポワンレカという人が述べた言葉が紹介されているのですが、個人的に印象に残っているのでお伝えします。
科学者が自然を研究するのは、それが役に立つからではない。科学者が自然を研究するのは、そのなかに喜びを感じるからであり、そこに喜びを感じるのはそれが美しいからである。
著:サイモン・シン(訳:青木薫)『宇宙創成』新潮文庫 2009
実用的とか、賞賛を浴びたいとか、そういったことではなく、純粋な好奇心から真理を追究してきた人たち。
ある人の仮設が間違っていたとしても、その仮説をもとに新たな説を検証して…。
この繰り返しで今の世界が真理に近づいているとおもうと感慨深いものがあります。
この世界に疑問を持てる
さてさてここまでこの記事を読んでいただいた方はみなさんお思いではないでしょうか。
真理を追い求めるためには、何かを疑う必要があることを。
デカルトではないですが、既存の物を一度疑ってみることの重要性がとてもよく伝わってきます。
ルネ・デカルト(1596~1650)はフランスの哲学者であり数学者。先入観を排除するために、すべてのもの疑うことで真理に到達しようと試みた。
その中で、疑っている自分だけは疑えないとして「我思う、ゆえに我あり」という言葉を残して哲学の基礎とした。
結局今まで正しいとされてきたものを疑ってみないと新しいものは生まれないのかもしれません。
絶対的に正しいとされていた天動説は違うのではないか。この観測方法でいいのだろうか。
ちょっとしたことを疑って、わずかな違和感を大切にしてきた結果が今の世の中をつくっているような気がしてなりません。
これは宇宙論に限った話ではないと思っています。
「今の仕事の進め方は正しいのだろうか」「こうあるべきという常識は、実は全然違うのかもしれない」
この本を読んでから、日々の常識や生き方を見直すようになりました。

もしかしたら、数百年後には全然違う事実が解明されているかもしれませんね。
まとめ
宇宙という非常に大きなテーマですが、そこにロマンを感じる人も多いのではないでしょうか。
そんな心をお持ちの方なら楽しめること間違いなしです。
難解な計算式や言葉も出てくるのですが、そのたびに分かりやすく解説されているので、新たな教養を身に付けたい人にもおすすめです!
宇宙を感じにいきましょう!!!
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